軍事委員 の一部を解任(北朝鮮)
朝鮮中央通信は28日、朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が
中央軍事委員会拡大会議
においてで
軍事委員
の一部を解任、あるいは新たに任命するなど「組織の問題」を取り扱っていたと報じた。
これまで北朝鮮で「組織の問題」と言えば、それはすなわち人事を意味している。
今月初めに非武装地帯(DMZ)で木箱地雷(木製の箱型対人地雷)を爆発させた。
さらに砲撃による挑発を行うなどし、韓国側が拡声器による北朝鮮向けの宣伝放送を再開するなど突然の緊張状態を引き起こした問題や
準戦時状態宣布
を受けた命令の実行が不十分と指摘された一部の軍幹部に対し、責任を追及する形で今回の人事が行われたとみられる。
北朝鮮の複数のメディアは通常、金正恩氏の動静を1日遅れで報じているため、会議は27日に招集された模様だ。
金正恩氏は今月20日にも朝鮮労働党中央軍事委員会非常拡大会議を開催した。
その場で「準戦時状態」を宣言したが、それからわずか1週間後、公の席に再び姿を現して軍幹部らを突然解任した。
党中央軍事委員会は朝鮮人民軍の最高指導機関で金正恩氏が委員長を務めている。
総参謀長や陸海空各軍の司令官など、軍を実際に動かす幹部に加え、公安機関のトップなどもこの委員会に名を連ねている。
内部事情に詳しい消息筋がメディアに流した情報では、今のところ誰かが更迭あるいは粛正されたという情報は正確に把握できていないという。
ただ、対象となっているのが軍のトップに近い人物なのは確かで再び、関係者が粛清される可能性が高い。
「該当する軍団の指揮に責任を持つ
李永吉(リ・ヨンギル)総参謀長
や、対南工作の総責任者である
金英哲(キム・ヨンチョル)偵察総局長
などの責任が追及されると予想される。
北朝鮮の指導層の間では、これまでと一線を画するような先軍政治の強化から李永吉や金英哲らが中心になって行った軍事挑発が失敗し、最高尊厳でもある金正恩に迷惑をかけたという雰囲気が高まり責任の転嫁が行われる見込みだ。
軍関係者に対する人事が影響し北朝鮮で朝鮮人民軍の立場が弱まった場合、対南事業の主導権確保に向けて軍と争ってきた
朝鮮労働党統一戦線部
の立場が再び強まることが予想される。
北朝鮮で対南業務に30年以上携わってきた
元東淵(ウォン・ドンヨン)労働党統一戦線部第1部部長(68)
は竹島に上陸し日韓問題を再燃させた
李明博(イ・ミョンバク)前大統領
がことし2月に出版した
回顧録『大統領の時間』
で2009年に南北首脳会談のためのシンガポール秘密接触内容を公開した後に粛清されたと言われている。
現在、統一戦線部の部長は金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党書記が務めている。
韓国統一部(省に相当)の元官僚によると、金正恩氏が今後、対話推進派として知られる統一戦線部を後押しするようになれば、韓国統一部と北朝鮮の統一戦線部とのラインが本格稼働し、先日の高官協議での合意(8・25合意)を実際に履行するに当たっても大きな力になるだろうとの見方を示した。
上記の拡大会議においては、金正恩氏は8・25合意について「民族の運命について懸念し、平和を大切に思う崇高な理念の勝利」「禍転じて福となしたこの合意を、大切に考えて豊かな結実を実らせなければならない」と述べたという。
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