独裁国家ハリファ王家が独裁制を敷いているバーレーンがイランを警戒
ペルシャ湾岸の島国バーレーンが
イランによる内政干渉
への警戒感を強めている。
国民の約7割はイスラム教シーア派だが、少数派であるスンニ派の
ハリファ王家
が独裁制を敷いている。
ハリファ王家では、シーア派国家イランがシーア派主導の反体制派と結びつくことを強く懸念している。
「スンニ派の盟主」を自任するサウジアラビアと連携してイランへの非難を強めるとともに、国内では反体制派の抑圧を強化している。
バーレーン王家はかつては絶対君主制で、「クウェートより危うい国」とされていた。
湾岸戦争以後、民主化を求める
国民による暴動
が絶えず、首長(アミール)である
シャイフ・ハマド・ビン・イーサー・アール・ハリーファ
の下で次々と民主化を実行し、2002年より政体を立憲君主制に衣替えし、君主の称号をマリク(国王)と改めた。
シャイフ・ハマド・ビン・イーサー・アール・ハリーファ首長が国王(マリク)に即位、二院制の議会(国王が任命する評議院と直接選挙による代議院)を設置し、内閣には国王によって任命される首相を置いた。
男女平等参政権や司法権の独立などの体制を整えた。
外交
外交面では中東地域の国々やイギリス、フランス、日本、アメリカを始め、多くの国と良好な関係を築いている。
親米国だが、カタールとハワール諸島に関しての領土問題が存在している。
ペルシア湾を挟んで向かい合う大国イランとはペルシア・コサック旅団の軍人レザー・ハーンが1921年にクーデターを起こして建国した
パフラヴィー朝
はバーレーンは歴史的にみてイラン(ペルシア)の領土であると領有権を主張していたため、イランに対して警戒心が強いとされる。
少数民族であるスンナ派が王家として支配するバーレーンでは、イスラーム革命後は、イランが国内のシーア派を扇動して体制転覆を図るのではないかといった警戒心から反イラン・反シーア派感情が強く大多数のシーア派住民を抑圧しているともいわれ民主化を求める暴動が絶えない。
アメリカも「敵の敵は味方」思考からスンナ派(政権側で少数派)のシーア派(国内多数)弾圧に懸念を表明してはいるが、対話を促す程度にとどまっている。
なお、イスラム教のアラウィ派が支配する隣国サウジアラビアとは、王家が同じ部族の出身ということもあって関係が深く、実質的な保護国となっている。
イエメンへの軍事介入と同様、2011年バーレーン騒乱の際は、サウジアラビア軍による軍事介入によって事態を収束させた。
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