ロシア機撃墜事件でトルコは警告の録音公表
ロシアはトルコがシリア国境付近でロシア戦闘機1機の撃墜を事前に計画していた可能性があるとの見解を示した。ドイツのメルケル首相は両国間の緊張緩和を呼び掛けるとともに、過激派組織「イスラム国」を敗北に追い込むための戦いに引き続き勢力を注ぐよう訴えた。
ラブロフ外相は25日モスクワで記者団に対し、「(撃墜が)故意ではなかったとの説明に、われわれは深刻な疑いを抱いている」と発言。「まさに計画された挑発行為のように思われ」、トルコはシリア反政府派のインフラを守るためシリア領空を防御しているのではないかとの疑問が生じていると語った。
同外相はロシア機撃墜で、「イスラム国」が支配地域で行う違法な石油取引の状況に「新たな光が当たるようになった」とも発言。この撃墜は「ロシア軍機が石油輸送車や油田を極めて効果的に爆撃し始めた後で起きた」と指摘した。
トルコのエルドアン大統領はイスタンブールで、ロシア機が複数回にわたる警告を聞き入れず領空を侵犯したため撃墜したとの見解を繰り返した。
ただ、この問題をエスカレートさせる気はまったくないとも述べた。
エルドアン大統領の融和的姿勢に同調する形でトルコ軍は26日、事件発生の経緯を説明してレーダー情報を共有するため、ロシアの大使館員を司令部に招いたことを明らかにした。
軍はウェブサイトに掲載した声明で、モスクワの軍当局者にも連絡を取っていることを明らかにし、トルコは「あらゆる形で協力の用意がある」と説明した。
また、トルコの国営アナドル通信によると、トルコ軍は同国南東部の指令拠点が侵入してくる航空機に対して少なくとも10回の警告を発したことを録音した音声テープを公表した。
軍は発表文で、警告を発した際に航空機の国籍を把握していなかったとしている。
これに対しロシア側は、ロシアの
Su24戦闘爆撃機
がシリア側からトルコ領空を侵犯していなかったと主張した。
また、トルコはF16戦闘機2機に撃墜命令を出す前にロシア機に連絡を取ろうとしなかったとの認識を示した。
国営メディアによると、特殊部隊に救出されたロシア機のパイロットは、「無線や目に見える形での」警告はなかったと述べたという。
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