ネルギー革命で供給されるシェールオイルとLNG
石油輸出国機構(OPEC)とアジアのガス輸出国が最も恐れていた米国からのエネルギー輸出が再開される環境が整った。
米国のシェール企業は国内の原油生産を45年ぶりの高水準に押し上げており、大量の天然ガスを世界市場に供給しようとしている。
シェールオイルを積み込んで昨年の大みそかにテキサス州の港湾を出航したタンカーと、今月中に予定されている液化天然ガス(LNG)輸出が、世界の主要エネルギー生産国による競争新時代の幕開けを告げることになる。
OPECは昨年12月サウジアラビア手動によるシェールガス開発企業等のライバルを淘汰し、エネルギー市場シェアを確保するために既にフル生産している。
主要加盟国であるサウジアラビアは今、米国の生産会社からの強まる圧力に対処しなければならない状況となった。
米国は世界3位の産油国に躍り出ており、また、天然ガス需要の旺盛な日本やスペインなどの天然ガス輸入国にとって、米国はこれまで長期にわたりガス供給で優位に立っていたカタール、マレーシア、オーストラリアの3カ国に代わる調達先となる可能性が高い。
米国からの輸出開始は、米国内の原油・ガス生産減少で北米のエネルギー供給が枯渇する恐れがあった。
このため、米国が石油ショック以降、ロシアやイラク、サウジなどの資源国に翻弄されていた20世紀末の状況からの転換を意味することとなる。
量的緩和策の拡大時期である過去十年間にわたる米国内外の掘削会社によるシェール層開発への多額投資が大量の新規供給を促し、エネルギー価格は下落している。
このため、多額の負債を抱えた生産会社は人員を削減し、配当を見送っている。
このほか、資産を売却し探査プロジェクトを中止しているところも出てきている。
石油ショック以降の40年間続いた米国の原油禁輸措置が昨年12月18日に解除されたことを受け、時価総額で米石油3位の
コノコフィリップス
が輸出第1便となるシェールオイルを供給した。
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