安保理の北朝鮮の核実験と関連して出した制裁決議
韓国外交部当局者の
ユン・ビョンセ外交部長官
は10日、韓国放送(KBS)「日曜診断」に出演し、既存の国連安保理対北朝鮮制裁決議に含まれた内容を分野別に強化・拡大する過程を踏むことになるだろうと述べ、「人的交流、金融制裁、輸出関連など多様な要素がある」と明らかにした。
安保理が北朝鮮の核実験と関連して出した制裁決議は、1718号(2006年1回目の核実験後)・1874号(2009年2回目の核実験の後)・2094 号(2013年3回目の核実験の後)である。
これまでは制裁内容が累積して強化・拡大されてきた。
安保理の対北朝鮮制裁は大きく見て三つの領域 に分かれている。
第一は禁輸措置(embargo)で核、ミサイル、化学武器などの
大量破壊兵器(WMD)関連禁輸品目
の供給・販売・移転・仲介などの禁止である。
第二は貨物検索と船舶・航空機の遮断で、制裁決議に違反する貨物を積んだ船舶の入港拒否、航空機の離着陸と領空通過不許可、関連貨物の検索などである。
第三は金融制裁で大量破壊兵器および対北朝鮮制裁決議違反活動と関連した金融サービスの提供禁止義務化(北朝鮮に対する大量現金移転の統制を含む)となっている。
安保理は特に北朝鮮と関連したすべての貿易物品の用途を判定する
キャッチ
オール(catch-all)方式
の禁輸措置強化方案を2094号に盛り込んだ。
北朝鮮の4回目の核実験後に各国のマスコミで議論されている中国の対北朝鮮原油供給全面中断や
第三者制裁”(secondary boycott)
は盛り込まれる可能性が事実上ないと見られる。
ニューヨークタイムズによれば米国政府関係者は一番効果がある北朝鮮への原油供給の中断を安保理決議案に入れようとすれば、中国が拒否権を行使する可能性があると見ているとのこと。
これには中国には外圧に屈した形となり、到底受け入れられない意見であるためだ。
ただ、これまで何度も行ってきた「パイプラインの修理や点検」などといった手法で中国政府が実施する可能性はある。
こうした修理等の影響はタンクローリーや貨車での運搬になるが搬送可能な量が限定的となり効果はある程度出てくる可能性はある。
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