ガイトナー米財務長官
主要国が景気刺激策を
解消し始めるのは時期尚早
だが、将来的な財政の持続可能性を確保するために、政府は計画立案を開始すべきであり、G8とG20(主要20カ国)の間では、成長が依然、政策の重点であるべきだ。
各国政府は引き続き、最近改善している需要を下支え、耐久性のある回復への基礎を作る必要がある。
政策シフトは早く、経済の嵐が過ぎた際に、持続可能な財政にどのように戻るのか、今の段階で明確な計画を立てれば、経済と金融の回復はより力強く、持続的なものになる。
米国は2011年から、財政赤字を持続可能な水準に引き下げることにコミットしている。赤字拡大につながっている長期的な医療コストの縮小に向け、努力していく。
クレジット市場と金融システムの修復に向けた米国のプログラムは、一時的なものであり、早期に転換できる。
主要国の国内総生産(GDP)の落ち込みペースは鈍化している。中国など一部の新興国では成長が加速しており、貿易に上向く兆しがみられるなど、世界経済は移行期にある。
経済の嵐は勢力が後退している。多くの国の経済において、安定化に向けた勇気づけられる兆候がある。
米国の債務水準拡大をめぐる警戒感が米ドル相場を圧迫し、債券利回りを押し上げている問題について詳細な議論は行われなかった。
米国財務省当局者
景気刺激策を解消するには、回復に向けた環境がよりしっかりと確立することが必要である。
最善の出口戦略は経済を潜在成長率まで回復させ、雇用を拡大すること。
過去のリセッションをみると、景気刺激策の
解消が早すぎて、回復が押しつぶされる
ケースが多くあったことから、米国はこうした過ちを繰り返すつもりはない。
ダーリング英財務相
英経済は今年末までに成長を回復し始める。他国の弱さと原油価格上昇が慎重になる要因である。
英国と他国が昨年以来とった大胆な景気刺激策は
効果が上がっている
が刺激策の効果が経済全体に波及するには時間がかかる。
私が予算で明言したこと、つまり、今年末にかけて英経済が成長を回復し始めるということを依然確信している。
今後の見通しは、他国がバランスシート正常化に向け前進するかどうかにかかっている。
また商品価格のボラティリティという問題もあり、慎重になる理由があるということだ。
原油など商品価格のボラティリティは、望ましくない不透明感につながっている。原油価格が急激に上昇したことを懸念する。
われわれは再び、産油国との協力を行う必要がある。
出口戦略については、英国経済がそこにまだ至っていないことは明白であり、出口については、今は誰も話していない。
経済回復までの道のりはまだ残っている。
財政赤字を向こう4年間で半減する。
財政は中期的により持続可能な水準に戻す必要があるが、景気刺激策を解消し始めるのは早すぎるとの見方で、G8のほかの財務相と一致している。
ラガルド仏経済財務雇用相
各国財務相は原油や石油製品市場の
ボラティリティを抑える対策
が必要だとの考えを示した。
われわれは国際通貨基金(IMF)と証券監督者国際機構(IOSCO)に対し、国際エネルギー機関(IEA)と協力し、原油市場に関する少なくとも監視手法や、おそらく規制の方法を提案するよう要請した。
ストロスカーン国際通貨基金(IMF)専務理事
米ドルの水準については、米ドルが弱いとはみていない。
米ドルは現在、市場で適切な水準に評価されていると思う。
米ドルは現在、1年前よりは強いことから、現在の水準が弱いとは思わない。
また、今後多くの変化があると予測しなければならないとは思わない。
経済については
回復は弱く慎重姿勢を維持
する必要がある。
社会的コストの増大はまだ続くことともあり、多くの措置を講じる必要はまだある。
実際に回復の芽が出ているとしても、平均した成長を取り戻すことは2010年初頭までなさそうだ。これは2011年初頭に失業率がピークをつけることを意味している。
IMFが(2010年の成長予測を)上方修正したのは、良いニュースだ。
ただ、この修正を過大評価しないでほしい。リスクは依然として大きい。
危機が終息したとの考えを持つのは非常に時期尚早だ。だが同時に出口戦略も模索しなければならない。
クドリン露財務相
国際的な準備通貨としての米ドルの役割について
近い将来に変化する可能性は低い
ため向こう数年で現在のシステムが著しく変化すると考えるのは難しい。
依然としてリスクは残っており、危機の終息について議論するのは時期尚早であり、原油価格の安定化について議論するのもまだ早い。
金融機関に対するストレステストについて、G8は、銀行システムの実態を解明するために必要な手段だとの意見で一致し、米国と欧州の例について検証した。
ロシアもストレステストを実施しているが結果を公表する予定はない。
フレアティ加財務相
銀行の健全性審査(ストレステスト)への各国のコミットメントを評価している。
欧州の財務相はストレステスト実施に合意したものの結果の開示方法については、全体的な結果とともに、個別銀行の結果も開示すべきかについて、依然として見解に相違がある。
ストレステストは重要であり、実施される、との点については一致している。
結果の開示方法をめぐっては、一部で見解の相違がある。
ただストレステスト実施へのコミットメントはある。
トレモンティ伊経済財務相
欧州ではストレステストについて、国レベルでも欧州レベルでも、公開するか非公開とするかなどについて、議論を開始していない。
欧州ではこれまでイタリアで国レベルだが、標準化されたストレステストが実施されているが結果は良好だ。
商品市場などにおいては
投機的な動きが再発
している。ある特定の金融取引が再び頭をもたげており、昨夏までのあまり望ましくない状況が再現されようとしている。
デリバティブやコモディティ市場で投機的な動きが復活しているとの懸念はイタリアからだけでなく、他の参加国からも挙げられた。
グリッリ伊国庫総局長
声明は非常に包括的になっている。
金融システムにとって
重要な機関の健全性を保証すること
について全会一致の合意があった。
会合で、銀行に対するストレステスト(健全性審査)について言及があったかどうか確かなことは言えないが、この件に関して意見の不一致はなかった。
シュタインブリュック独財務相
ドイツ経済はユーロ高に対して、驚くほどにうまく対応している。
IMFの財源拡大について、当初の拡大分2500億ドルに対し、ドイツは200億ドル拠出する予定である。
景気刺激策からの
出口戦略の模索を適切な時期に行う
べきとの声が聞かれた。
今はまだ主に危機対策に追われている。
しかし、大切なことは、インフレが表舞台に出てくることを未然に防ぐために、適切な時期に措置を講じることだ。
G8のすべての国が資本市場へのこうしたリスクを認識しており、いかなる安定化策も出口戦略と関連づけて考える必要があるというIMFの立場を共有する。
IMFに対して出口戦略の選択肢に関する検討を要請することを支持する。
ロンドンで開催された20カ国・地域(G20)による金融サミットの金融市場規制に関するコミットメントが非常に前向きな形で強化された。
世界経済については安定化に向けた初期の兆候が出ているとの見方が広まっていた。しかしこれは楽観的な見方ではない。
非常に慎重にみているが、ある程度の安定化の可能性を示す指標が現れている。
しかし、経済回復の時期と強さと持続性は非常に不確かなものだとのIMFの見方を共有する。
米国と中国などの新興国の回復は欧州よりも早くなる。
米国と新興国の景気回復は明らかにV字型となるだろう。
欧州やドイツは、L字型とV字型をあわせたものとなりそうだ。
ストレステストに対する欧州の立場は、賛成だ。
ただ個別行の結果は公表しない。